「日焼け止めは女性が使うもの」という時代はもう終わりました。紫外線は男性の肌にも深刻なダメージを与えます。シミ・シワ・たるみといった肌老化の原因の約8割は紫外線によるものとされています。
日焼け止めは最も手軽で効果的なエイジングケアの一つです。この記事では、SPFやPAといった基本知識から、男性の肌に合った日焼け止めの選び方、そして正しい塗り方まで詳しく解説します。
男性が日焼け止めを使うべき理由
紫外線は肌老化の最大の原因
紫外線による肌へのダメージは「光老化」と呼ばれ、シミ・シワ・たるみの主な原因です。加齢による自然な老化よりも、光老化の方がはるかに肌への影響が大きいことが皮膚科学の分野でも明らかになっています。
男性は女性に比べてスキンケアの習慣が少ない分、長年にわたって紫外線ダメージが蓄積されやすい傾向があります。「まだ若いから大丈夫」と思っている間にも、目に見えないダメージが着実に蓄積されています。
曇りの日や室内でも紫外線は届いている
曇りの日でも晴天時の約60〜80%の紫外線が地上に届いています。さらに、UVAは窓ガラスを透過するため、オフィスや車の中にいても肌は紫外線にさらされている状態です。日焼け止めは「晴れた日に外出するときだけ」使うものではありません。
資生堂のアネッサ公式サイトでは、SPFとPAの違いや紫外線の種類について詳しく解説されています(参考:アネッサ SPFとPAの違い)。

SPFとPAの基礎知識
SPFとは
SPFは「Sun Protection Factor」の略で、主にUVB(紫外線B波)を防ぐ効果の指標です。UVBは肌表面に赤みや炎症を引き起こし、日焼け(サンバーン)の直接的な原因となります。
SPFの数値は2〜50+で表示され、数値が高いほど防御力が高くなります。ただし、SPF30で約97%、SPF50で約98%のUVBをカットできるとされており、数値が高くなるほど差は小さくなります。
PAとは
PAは「Protection Grade of UVA」の略で、UVA(紫外線A波)を防ぐ効果の指標です。UVAは肌の奥深く(真皮層)まで届き、コラーゲンやエラスチンを破壊してシワ・たるみの原因を作ります。
PAは「PA+」から「PA++++」の4段階で表示され、+が多いほど防御力が高いことを示しています。
- UVB:肌表面にダメージ → 赤み・炎症・シミの原因(SPFで防ぐ)
- UVA:肌の奥にダメージ → シワ・たるみの原因(PAで防ぐ)
シーン別の日焼け止めの選び方
通勤・オフィスワーク中心の場合
日常的な通勤やオフィスワークが中心であれば、SPF30・PA++〜PA+++程度の日焼け止めで十分です。肌への負担も少なく、毎日使い続けやすいのがメリットです。
外回りや屋外作業が多い場合
長時間屋外で活動する場合は、SPF50+・PA++++の最高レベルの製品を選びましょう。汗をかきやすい環境ではウォータープルーフタイプを選ぶと崩れにくくなります。
レジャー・スポーツ時
海やプール、ゴルフなどのアウトドアレジャーでは、SPF50+・PA++++のウォータープルーフタイプが必須です。水に入る場合は2時間ごと、汗をかく場合は1〜2時間ごとに塗り直すことが効果を維持するために重要になります。
- 通勤・オフィス:SPF30・PA++〜+++
- 外回り・屋外作業:SPF50・PA+++〜++++
- レジャー・スポーツ:SPF50+・PA++++(ウォータープルーフ)
日焼け止めのタイプ別特徴
ジェルタイプ
みずみずしい質感で伸びがよく、ベタつきが苦手な男性に最適です。さっぱりした使い心地で、スキンケアの延長として使いやすいのが特徴です。ただし、ウォータープルーフ性能が低いものが多いため、汗をかくシーンには不向きな場合があります。
ミルク(乳液)タイプ
保湿力が高く、肌になじみやすいのが特徴です。乾燥が気になる男性には、保湿成分が豊富なミルクタイプの日焼け止めが適しています。カバー力もあるため、BBクリームのようにトーンアップ効果が期待できる製品もあります。
スプレータイプ
手を汚さずに広範囲に塗布できるため、腕や首の後ろなど体への使用に便利です。ただし、顔に使う場合はムラになりやすいデメリットがあります。基本的にはジェルやミルクタイプを顔に塗り、スプレーは体や塗り直し用として使い分けるのがおすすめです。
スティックタイプ
固形のスティック状で、直接肌に塗れるため外出先での塗り直しに非常に便利です。コンパクトで持ち運びしやすく、バッグに1本入れておくと安心です。

日焼け止めの正しい塗り方
適量を守ることが最重要
日焼け止めの効果はパッケージに記載されたSPF・PA値のとおりですが、これは推奨量を正しく塗った場合の数値です。実際には推奨量の半分程度しか塗れていない人が多く、その場合はSPF値も大幅に下がってしまいます。
顔全体に塗る量の目安は、クリーム・ミルクタイプならパール粒2個分、ジェル・ローションタイプなら1円玉2枚分です。思っている以上に多いと感じるかもしれませんが、この量を塗らないと十分な効果は発揮されません。
塗り方の手順
- スキンケア(化粧水・乳液)が肌に馴染んでから塗る
- 適量を手のひらに取り、額・両頬・鼻・あごに点置きする
- 指の腹で内側から外側に向かって優しく伸ばす
- 首やデコルテ、耳の裏にも忘れずに塗る
- 仕上がったら2〜3分放置して肌に馴染ませる
塗り直しのタイミング
日焼け止めは一度塗ったら終わりではなく、こまめな塗り直しが必要です。目安は2〜3時間ごとです。汗をかいた後やタオルで顔を拭いた後は、その都度塗り直しましょう。
ユースキンの肌育研究所では、日焼け止めの正しい選び方と使い方が図解つきで解説されています(参考:肌育研究所 日焼け止めの選び方)。
日焼け止めに関する誤解を解消
「色黒だから日焼け止めは不要」は間違い
色黒の肌はメラニン色素が多いためサンバーン(赤くなる日焼け)には比較的強いですが、UVAによる肌の奥へのダメージは肌の色に関係なく受けます。シワやたるみの予防という観点では、肌の色に関係なく日焼け止めは必要です。
「冬は日焼け止め不要」も間違い
冬でもUVAは一定量が地上に届いています。特にスキーやスノーボードでは雪による紫外線の反射が加わるため、夏以上のUV対策が必要になるケースもあります。
「SPFが高ければ高いほどいい」とは限らない
SPF値が高い製品ほど肌への負担が大きくなる傾向があります。日常使いであればSPF30程度で十分な紫外線防御効果が得られるため、シーンに合わせた使い分けが賢い選択です。

日焼け止めの落とし方
通常の日焼け止めの場合
「石けんで落とせる」と記載されている日焼け止めは、普段の洗顔料で落とすことができます。ただし、いつもより丁寧に泡で洗うことを意識してください。
ウォータープルーフタイプの場合
ウォータープルーフタイプの日焼け止めは通常の洗顔料だけでは落としきれない場合があります。クレンジングオイルやクレンジングバームを使って、先にメイク落としを行ってから洗顔しましょう。落とし残しは毛穴詰まりや肌荒れの原因になります。
日焼け止めを塗ったまま就寝すると肌トラブルのリスクが高まります。どんなに疲れていても、就寝前には必ず洗顔で日焼け止めを落としてください。
よくある質問(Q&A)
Q. 日焼け止めはいつ塗るのがベスト?
外出する15〜30分前に塗るのが理想です。塗ってすぐに外出すると、日焼け止めが肌に馴染む前に紫外線を浴びてしまう可能性があります。スキンケアの最後のステップとして塗る習慣をつけましょう。
Q. 去年の日焼け止めは使っても大丈夫?
未開封であれば使用期限内なら問題ありませんが、開封済みの場合は品質が劣化している可能性があります。変色や異臭がなければ使用できますが、できれば新しいものを購入することをおすすめします。
Q. 日焼け止めと化粧下地はどちらが先?
スキンケア → 日焼け止め → 化粧下地 → BBクリームの順番が基本です。日焼け止めはスキンケアの一部として考え、メイクの前に塗布してください。
Q. 敏感肌でも使える日焼け止めはある?
「紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル処方)」の日焼け止めは、敏感肌の方にも比較的使いやすい傾向があります。紫外線散乱剤(酸化チタン・酸化亜鉛)をベースにした製品を選んでみてください。
Q. 日焼け止めを塗ると白くなるのが気になる…
白浮きが気になる場合は、ジェルタイプやトーンアップ効果のない透明タイプの日焼け止めを選びましょう。近年は技術の進歩により、高いSPF値でも白浮きしにくい製品が増えています。
まとめ
日焼け止めは男性にとっても欠かせないスキンケアアイテムです。シーンに合ったSPF・PA値の製品を選び、適量をしっかり塗ること、そしてこまめに塗り直すことが紫外線対策の基本になります。
紫外線ダメージは目に見えにくいからこそ、毎日の習慣として取り入れることが大切です。今日からの紫外線対策が、将来の肌を守る投資になります。ぜひ自分に合った日焼け止めを見つけてください。

